昨日は、社内で5月度「理念と経営」社内勉強会を開催しました。今回もたくさんの社員さんと協力業者のみなさん、それとゲスト4名の合わせて約50名の参加をいただきました。
2006年から始めたこの社内勉強会はもう9年にもなります。最初は勉強会を呼びかけてもだれも参加しようとしませんでした。参加した社員さんも2〜3人程度で、だれも事前の準備などはありませんでした。
「社長が言うから仕方ない・・でもね」「自分たちの仕事の時間が取れなくなるから・・」「工事は現場で忙しいから・・」「仕事以外のことを何故やらないといけないのか!」「やってどーなるの?」いろんな抵抗が社内を渦巻きます。
「しょうがないから朝はやく出てきてやろうか。。」7時から出てきてやり始めたものの、みんな義務&役割でしらけた会議のような勉強会がしばらく続きました。しばらくと言っても5年間くらいこのような状況がつづきました。でも絶対やめませんでした。
「社長が参加すると社員は硬くなりますから、社長はできるだけ参加しないで見守ってあげてください」言われたとおりにそうしました。でも2階の会議室の静けさが私の不安を駆り立てます。時折、笑い声が聞こえてくるとホッとするような状態でした。
「やり続けていればいつかは変わる」と言っても何か変化を起こそうとしないとやっぱり変わりません。そして変化を起こそうとすると無言の激しい抵抗に合います。人間はだれもが自己防衛本能を持っています。人間は誰もが「もっと良くなりたい=変わりたい」という自分と、「できるならこのままでいたい=変わりたくない」という2つの自分を持っています。予測できない未来に対して不安を覚えると人間は自己防衛本能を発揮して、何もやろうとしないことで変化に対応しようとします。
「来月から全員参加型の勉強会にします。全員本を読んで、設問表に記入して参加して下さい」思い切って決断しました。もちろんそれから「何のためにこの社内勉強会をやるのか」「やるとどうなるのか」「何を一人ひとりに期待しているのか」を語っていきます。しかし全員が理解したわけではありませんでした。中には、過激な言動で私の心理状態に揺さぶりをかけようとするベテラン社員もいました。
全員参加型勉強会の当日、ぞろぞろと(しぶしぶとと表現することもできますが)集まってきました。設問表は事前に提出してもらい、その全てに目を通し、赤ペンで感想を書いて彼らに返していました。リーダーを決めて始めます。勉強会を始める前に全員でハイタッチ!を「イェ〜!」と言いながらやりエネルギーを高めていきます。
ルールはひとつだけ。「楽しくやること」
意見を積極的にリーダーが拾って、褒めて返してあげること。意見を否定しないこと。そしてそれぞれの発言の後にかならず拍手すること。とにかくやってみてっていう感じでした。
1時間後には笑顔であふれていました。「やってみたら、結構おもしろかったやん」そんな感じでした。それでもまだまだ否定的な感情を拭えない人もいました。「否定的な意見を言えないなんて、ウソついているみたいやん」「わざとらしい」「格好だけ取り繕っても意味が無い」そういう声が聞こえてきました。そうして何回かやっているうちにゲストをお招きするようにしました。
「ゲストの皆さんの前で思い切りカッコつけていいよ」「エネルギー出して、元気だしてやったほうがカッコいいよ」全体に伝えるようにして、否定的な一部の人にわかるようにして伝えてみました。
そして、ディスカッションの後のゲストのみなさんの参加の感想を聞くと、「エネルギーの高さと明るい雰囲気にびっくりしました。」「現場のみなさんがしっかり本を読んで、設問表に答えているのが素晴らしいと思いました。」
ゲストのみなさんの評価を聴いて、普段お客様から直接褒められる、評価される機会が少ない我が社の現場のスタッフのみんなはだんだん気を良くして、ゲストのみなさんが来るたびに張り切って自分の意見を言うようになりました。彼らは言えば言うほど評価が高くなるという経験をしたことがありませんでした。「完全にやるのが当たり前」「できなければボロクソに文句言われる」「自己承認欲求を抑えなければいけない工事現場という環境で働き続けて、承認される喜びから遠ざかっていたことに気づきだしました。
「理念と経営」が創刊して以来、ずっとやめなかった社内勉強会はすっかり我が社を代表する社内研修として定着することができました。現在もあちこちの方にお声をお掛けしてゲストの方々をお招きしております。同業他社の方々にも我が社の勉強会に参加してもらっています。競争するのではなく、協調する。コミュニケーション能力の高さが全体のレベルアップに繋がる。そう信じてやっています。
一度一緒に学びたいと思われる方がおられましたら、いつでもお声掛け下さい。
なんでも一つのことをやり遂げるには時間がかかります。今もそう感じます。
多少、忍耐力が身についたかな?(笑)