しかしそんな彼らもまた、しっかりと自分自身に「直面している」結果、プラスに置き換える前の段階で足が止まっている状態であるとも言えます。自分自身の「真の姿」に直面しているからこそ、「誰それが悪い、彼が悪い」になるのです。一種の「現実逃避パターン」です。なりたい状態になれていない自分を知っているから、逃げようとするのです。直面していなかったら逃避はしません。逃げる理由がないからです。
「怒り」のパターンも一種の逃避です。動物の威嚇(いかく)と同じです。威厳を保つフリをしながら、現実から逃げようとしています。相手が近寄っていこうとすると、怒り出します。まるで近寄って行くと、「シャー!」と言っているヘビやトカゲのような動物と行動と同じです。人もまた動物です。生き物です。
「無視」する人もいます。現実を知っているから、やれていない自分を知っているから、その現実から逃げようとして、自分には関係ないことだと無視します。これらの行動を専門用語で言うと、「防衛機制」と言います。つまり自己防衛本能が働くのです。自己防衛本能は、動物に与えられた外敵から身を守るためにインプットされた、我々が生きていくための「本能」です。ですから、動物ならばだれもが持っている本能です。
どんなに明るく、前向きで、積極的でエネルギー高く、肯定的な価値観を持っている人も、逃避や抵抗のパターンをみんな持っています。人は不完全な生き物ですから、完全な人間などはいません。みんなそこで悩んでいます。「もっと良くなりたい」という思いをだれもが持っているからです。
そして、悩みぬいて、決断して、前向きに生きていこう、プラスに考えるによう自分を高めていこうと意思決定するのです。そこに覚悟を決められるかどうかが試されているのです。そしてプラスの感情とマイナスの感情をうまくコントロールすることができるようになるのです。人が成長するということは、まさにこのことです。
やはり、前向きに、肯定的に、プラス思考で日頃の活動をやり続ける集団にしたいものです。自分で肯定的に受け止め、目の前の問題を解決の方向へ導いていく。たとえば上司に進言する、アイデアを出す、身の回りの環境を自分で整えていく姿勢が大事です。