今年も(株)エンドラインさんのご協力で、この「協働共育」カレンダーを作成することができました。テーマは「現場で働くスタッフに光を当てる」です。実はこの発案は決してオリジナルではありません。愛知県に、そして神奈川県に、同じ建設専門工事業者で、現場で頑張っている社員さんに光を当てるためにカレンダーを作成しておられる業者さんがいます。
昨年、横浜の(株)イーケイエスさんの工藤社長のところへ行き、ベンチマークをさせていただきました。「キミも鉄筋王になれる!」のキャッチフレーズの看板は衝撃的でした。http://www.eks.bz/recruit/ ←これ見てください。
「我が社もカレンダーをやってみよう」と思い、協働共育カレンダーを昨年、バタバタと創り、今年もバタバタしながら作成しました。日付にはスタッフ全員の誕生日を載せました。お客様や関係者にはお配りしているものの、内向きな企画に使いづらさもあるかもしれません。ご勘弁ください。
できるだけ多くのみなさんに見ていただこうと、今年は昨年よりもたくさん創りました。
配布したお客様の中には、女性社員さんに好評で、数部お分けしたところもあります。
配った社員さんからの報告で、「これ見ると元気が出ます。机の横に貼っておきます」とおっしゃっていた方もおられるそうです。
この5月のテーマは、マハトマ・ガンジーの言葉です。私はこの言葉を座右の銘にしています。人間はいつ死ぬかわかりませんが、健康に生きているほとんどの人は、明日死ぬと思って生きていません。
いつまでも生き続けていきたいとほとんど人が思っているならば、そのためにもいろんな体験をして、経験知を増やし、世の中の本質をつかむ目を養うことが大事だなと、この言葉を見るたびに感じます。
このカレンダーのテーマは「現場で働くスタッフのみなさんに光を当てる」です。我々の仕事、特にガス工事は、直接エンドユーザーのみなさんのお顔を拝見することもありませんし、どんな方がお使いになられるか、お住いになられるかもほとんどわかりません。
直接エンドユーザーのお客様からお褒めのお言葉をいただくこともめったにありません。毎日毎日、配管することに向き合うだけの日もあります。終わってから自分で自分を褒めるしかない時もあります。
だからこそ、社内では、お互いをねぎらい、存在を認め合い、そしてさらに助け合いの精神を育み、共に自分の仕事を認め合う社風を創るような働きかけに力を入れています。
さて、このカレンダーには、「人に光をあてる」テーマの他に「裏メッセージ」が隠されています。
それは、「人間は皆不完全である」ということ。そして「努力」こそ人間らしさであるということです。
お客様は我々に常に完全を求めます。ガス工事にせよ、水道工事にせよ、漏らしたら大変です。人命にかかわりますし、損害賠償も出てきます。100%の施行品質が当たり前であり、それ以外はありません。しかし施工する人間は皆不完全です。失敗もします。
ヒューマンエラーをしたことがない現場の職人さんを私は未だに見たことがありません。
しかし、現場ではいつも「ミスを起こさないこと」を求められます。長年、お客様からの要求にお応えしようと努力すればするほど、この矛盾を感じながら、一体どう言うことなのかを考えてきました。
一方で、「失敗を恐れるな、失敗すればするほど、人は成長するんだ」とか「現場で失敗の経験をしないとわからないもんね〜」などと言われます。片方で「失敗はするな」と言われるし、もう片方では「失敗しろ」と言われるし、一体どっちやん?と思うのは、
だれしも経験したことがあるでしょう。
特に、経営者は自分都合だなと、自分で思います(笑) 時に社員さんに対して、「ここまでは失敗しても許してあげるけど、これ以上の失敗しちゃダメだぞ」などと言いますが、実際に、失敗の程度の将来予測は可能でしょうか? 私は完全には無理だと思います。だれにも失敗の程度を、そこから出る負の影響を完全予測するのは不可能です。
もちろん1:29:299のハインリッヒの法則は認めます。1つの大きな事故の裏には、29の中程度の事故があり、その裏には299もの小さな事故・失敗があるという危機管理における有名な法則です。この法則に基いて、我々は危機管理の体制を整えて、大きな失敗を起こさない努力を行っていますが、これも人間である以上完全ではありません。
だからと言って失敗することを安易に認めているわけではありません。私は社員のみなさんに、失敗を防ぐ「努力をし続ける」ことが大事だと伝えています。努力することが、より良いものを創る源泉です。その努力をし続けることを認めることがより大切だと感じます。
失敗の責任は社員さんは取りません。お客様も社員には失敗の責任を要求しません。何かあれば「社長出てこい」と言われますが、「失敗した社員出てこい」とは、20数年間社長をしておりますが、一度も言われたことがありません。失敗の責任を取るのは「社長」だけです。
我が社では「責任」を定義して、「責任を取る」ことと「責任を果たす」ことの違いを明確にしています。
社員さんが出来るのは、「責任を果たす」ことです。社員さんが責任を果たすという意味は、我が社では「失敗を防ぐ努力をし続けること」であり、起きた失敗について責任を取るのは、「社長の仕事」だと定義しています。
こうして、我が社では「人間の不完全性を認める」ことを経営理念にしています。
「努力することこそが、人間らしさである」ということについては、また別の機会に書いてみます。
ちょっとカレンダー創りすぎました。もう少し在庫がありますので、ご希望の方はお気軽にご連絡ください。即お送りします(笑)