私は時々、異業種の企業訪問に行きます。いわゆる「ベンチマーク」というものです。異業種から学ぶことはたくさんあります。同業種からの視点だけではものの見方・考え方に偏りが生まれるなと感じています。
うまくいっている会社には、必ず共通点があります。またうまくいっていない会社にも必ず共通点があります。他の業界の会社の経営を知ることで、そのことを実感することができます。また、違った業界を知ることで、世の中の仕組みを知ることができるので、とても面白いです。
まず一社目は、ライバル業者の不便を解消してあげることで、結果的にライバルのとの差別化を実現することができた福岡市の汚泥処理業者エコアスさんです。
川上から川下まで、汚泥収集から運搬、処理までできる福岡市内唯一の業者です。産業廃棄物の処理には数種類の分野がありますが、ここは収集した汚泥を脱水するまでのプロセスを創っている会社です。脱水した汚泥は肥料の原料として、加工工場の業者に引き取ってもらいます。
場所は博多区西月隈の御笠川の近くにあります。すぐとなりが寿司屋さんです。いかにニオイを出さないようにしているのかがわかります。
レストランの厨房には必ずグリーストラップなるものがあります。厨房で必ず発生する油かすとか材料からでた水分を一旦ためて分解し、排水に流すものですが、ここに汚泥がたまり、定期的に清掃する必要があります。それを業者が回収するのですが、一旦回収したものは中間処理をする必要があります。それを処理する工場が少ないのです。エコアスさんはそんな同じ業者さんの汚泥も処理してくれます。もちろんエコアスさん自身も直接レストランから汚泥を回収するグリーストラップ清掃業者の一つです。
処理する過程において発生する汚れた水は、鯉を育てることができるまで濾過され、最終的には排水管に放出されます。
しっかりとしたストックビジネスを実現できるまでには、行政との調整や地域との融合など様々なリスクを乗り越えたプロセスがありました。なんでも容易にできるものではありません。
何と言っても、産廃処理業社が福岡市のど真ん中にあるのがまずスゴいです。